メモ:
梅干し等、漬物に用いられることで知られるが、漢方薬の中でも欠かせない重要な生薬である。中国原産の1年生草本で、奈良、平安時代に渡来している。香気が爽快で、よく食欲を進め、人を蘇らせるので、“蘇”の名があると言われる。特に葉を薬用とするので病気の発生に神経を注ぐ必要がある。夏場のさび病が難敵である。充分に繁茂し、小枝の先に花穂が付き始めた頃が収穫に適している。調製は通風の良い舎内等を選び、陰干しをする。雨滴に合わせないように注意し、カビの発生を絶対に避けるべきである。
『本草綱目』『大和本草』など各本草書には「紫蘇表裏皆紫色其気芳発者可用俗此呼知利綿紫蘇…面青背紫者名片面紫蘇又表背共不紫色者為野紫蘇此二種不堪薬用…」等と言及している。
食用としての生産が多いが、薬用種を選抜し、生薬には精油や成分含量の高い、香りの良いもので、裏表紫色のチリメン掛かったものが望まれる。少なくともアオジソは薬草とは考えないので、食するだけに止めたい。岩手、栃木、高知、群馬の各県及び京都府等から生産される他、中国からも輸入されている。気剤として、精神疾患、呼吸器疾患に用いられている。精神不安を散ずる作用が有り、解熱、鎮咳、利尿等を主訴とする漢方薬に配合される。