メモ:
『神農本草経』には「身熱、洩、女子の乳難。閉には小便を利し、胃中の積聚寒熱を蕩し、精氣をし、久しく服すれば、身を輕くし、饑に耐え、天年を長くする」、『名医別録』では、「九竅、六腑の津液を通じ、留結を去り、渇を止め、中を利せしめる」と記述。『本草綱目』で李時珍は「黄疸、水腫、かっ気、吐血、衄血、金瘡の出血、緒瘡腫毒を療ず」との解説を見るが、漢方方剤には欠かせぬ鉱物生薬である。滑石と呼んでいる物にタルクがあるが、本草書の滑石はタルクではなく、カオリン類の性質をもったものである。益富壽之助先生は『正倉院薬物』の報告の中で、「滑石なるものは、含水珪酸アルミニウムからなる1種の粘土鉱物加水ハロサイトである。これは類似の粘土鉱物即ちカオリナイト、ディッカイト、ナクライト等とは多少とも化学成分及び物理的性質において異なり、薬効作用も異なるだろう。本品の研究の結果から漢薬としての滑石はtalcではなく、加水ハロサイトと定義する」とまとめられている。山東省、遼寧省、江蘇省、江西省、広西省、陝西省に産する。